第17話 言霊

著:御子絵 ◆6scG3/0sFE  時刻:22:26:20

66 :御子絵 ◆6scG3/0sFE :2010/08/20(金) 22:26:20 ID:BjNlgK1Z0
≪言霊≫1/2
私はインディーズのロックライブで知り合った女友達がいます。
ライブで2人揃った時は「2TOPダンサーズよ〜♪」等と言いながら一番前でガンガン踊って
いました。
そんな馴染みのライブハウスでしたが、3階は昔ダンスホールだったらしいのですが、ミラーボール
のようなものが天井からぶら下がり、倒れたテーブルやイスはそのままで埃をかぶっていて、
荒らされた部屋は放置状態。なので見た目は廃墟同然。ガラスのドアから中を覗くと”絶対いる”
雰囲気。

…ある日の夏、別の友達と同じライブハウスのアコースティックギターのライブに行った時の事。
その日はそれほど冷房がきつくもなかったのに、途中からものすごい寒気がして、私は持ってきた
長袖を着て、隣の100均で靴下を買い、なるべく身体から熱を逃さない様にずっと体育座りをして
いました。ファンの久しぶりのライブなので最後まで我慢して聞いていました。

そんな事があってからライブに行くと急に肩が凝ったり気分が悪くなる事があり、その度に外に
出たり誰かに背中を叩いてもらったりしていました。
ある日のライブは踊り仲間の彼女も来ていて(以下Sさん)何曲か踊ったあと、首と肩が急に
重くなってきたので、誰かに背中を叩いてもらおうと思い、Sさんに「誰か霊感の強い子いないかなぁ」
と聞くと「どうしたの?」と聞かれたので、夏の寒気の事とか、気分がすぐれない時は背中を叩いて
もらってる事を言うと「あなたは大丈夫よ」と言うので「えっ?霊感あるの?」とびっくり。
まさか彼女が霊感持ちとは知らず…。

67 :御子絵 ◆6scG3/0sFE :2010/08/20(金) 22:27:33 ID:BjNlgK1Z0
2/2
Sさん曰くその人のオーラの色で、今の状況から将来の事が見えるのだとか。
すかさず「私はどんな?悪いもの憑いてない?」と聞くと「ごく普通で穏やかな色かな。
悪いものはついてないよ」と言うので、今までじゃぁなんで気分が悪くなったのかを聞くとあっさりと
「気のせいよ」と。背中を叩かなくてもいいと。
でも、なんとなく気分的なものなので、ガタイのでかい子に思い切り背中を叩いてもらったあとに
洗面所に行きました。(私は普段から疲れた時に手を洗ったり、冷やすだけで疲れが取れていたので)

だけどその時はとても不思議でした。洗面所に行って顔と手を水で洗うと、今までの肩や首の痛みが
嘘のように消えていて、さらにマッサージしてもらったみたいに気持ちよくなっていました。

私はきっとSさんが「気のせいよ」と言った時に言霊で私に憑いてたモノを落としてくれたのかも。
と思い、言霊の威力を初めて身体で感じた出来事でした。

追記
そんなSさんと、Sさんのファンのバンドボーカルの子の夢を初めて見た後に、Sさんとは喧嘩して
1年会わず、そしてボーカルくんは今現在病気で在宅治療していて、バンドの世界に戻ってこられる
かもわからないそうです。
                                         【完】