第26話 笑い声

著:のらはり ◆9N4nUN7jEY  時刻:22:51:33

91 :のらはり ◆9N4nUN7jEY :2010/08/20(金) 22:51:33 ID:6TdIf/VB0
『笑い声』

あれは大学生2年の夏休みに実家に帰った時のこと。
実家の方はかなり田舎で、下手すると朝5時くらいから畑仕事をしている人もいる。
実家自体も朝は早く、朝6時起床という感じで大学生活で乱れた体内時計がだいぶ健康な状態に戻りつつあった。
そしてお盆の日の早朝、家の外から聞こえてくる笑い声で起こされた。

「ぎゃははははははははははは」

近所中に響くような大笑い、下手すると馬鹿笑いのレベル。
「(うるせーな。田舎とは言え、常識ってものはないのか)」
そう思いながらまた布団をかぶった。

しかし朝食の時に「今朝、すごい笑い声聞こえたでしょ。あれ誰だったんだろうね。」と聞くと家族はきょとんとしている。
どうやら俺以外の家族4人ともその笑い声を聞いていないようだった。

その日のお昼、畑仕事の手伝いをしていると近所のおじいさんがやってきて世間話を始めてきたので、
笑い声について聞いてみたところ「え、○○ちゃん(俺のこと)笑い声を聞いたんかい?」と言われた。
どうやら昔からお盆の日の朝にこの地域の誰かしらが他の人には聞こえない笑い声を聞くらしい。

その笑い声の主は1年ぶりに家に帰ってこれた先祖なのか、それとも・・・

【完】