第33話 女

著:ま ◆e5CfffZeYk  時刻:23:34:00

112 :ま ◆e5CfffZeYk :2010/08/20(金) 23:34:00 ID:+5E1D/uM0
女(1/2)

私は団地に住んでいるのですが、現在進行形で起きていることを話します。

私の住んでいる団地は、団地と言ってもオートロックマンションのような感じで、共同の玄関を入った先にポストや階段、自転車を置けるスペースがあります。
団地なのでオートロックではありませんが、上の階に上る階段や部屋へのドアが屋内にあるかたち。
本題に入ります。寝室なのですが、その共同の玄関と同じ方角に窓があり、窓から顔を出せば誰が入ってくるかが何となく見えるし、外の声も聞こえます。
うちでは夜はクーラーを切って窓を開けて寝るので、その日も普通にそうして寝ていました。
明け方近く、物音に気がついて目が覚めました。
ドンドンという音と「……けて、……けて」という様な声が外の方からしています。
寝ぼけ頭が一気に醒めました。
体を起こし、耳を澄ますとどうやら「開けて、開けて」と言っていることがわかり、ドンドンという音。
直感で「あ、(共同の)玄関叩いてる」と分かりました。
ガラス戸なのですが、叩くと丁度その様な音がします。

114 :ま ◆e5CfffZeYk :2010/08/20(金) 23:35:31 ID:+5E1D/uM0
(2/2)

異様なその行動に小心な私はすっかり怯えてしまい、その日は布団を被って寝たのですが、
少し気になることが起こるようになりました。
その日以降、頻繁に「団地の住人ではない」女が現れるようになったんです。
学校から帰ってくると階段の真ん中に立っていたりなどとにかく気味が悪く、
そういう日は家に帰らず友達の家などに行き、母が仕事から帰ってくる頃自分も帰る、という様にしています。

別段危害を加えてくるわけではないのですが、あれは人……? って雰囲気。
それがもし「開けて」の人で、あの朝、新聞配達の人とか、
あるいは他の誰かが戸を開けたことによって団地の中に入ってきたのかと思うと、ぞっとします。