第82話 自動ドア

著:きしりっしゅ ◆Ux29IdM5BI  時刻:03:15:04

280 :きしりっしゅ ◆Ux29IdM5BI :2010/08/21(土) 03:15:04 ID:sZhrIUxy0
「自動ドア」1/2


俺のつれの話。
年下なんだけどすげー態度がでかい。で、霊とか見えることがあるらしい。俺は疑ってるけどw


バイトで知り合って、何でか気に入られてバイト以外でも一緒に遊ぶようになったヤツなんだ。
それで話よくするようになって、俺幽霊とか見ちゃうんだよねwwとかカミングアウトされたw

俺たち接客業で、夜バイト入ったりもよくあるんだけど、
そいつが言うには、夜中はときどき本物の人間のふりして、本物じゃないヤツも店に来たりしてるって。
「ホントに見えないのお前ww」
とか何でか上から目線で言われるんだけど、俺には全くわかんなかった。
俺もオカルトとか好きだけど見たいとは思わないしさ。


で、深夜にそいつと店に入ってた時、いつもは割とお客も少なくてだらだらできるんだけど、
その夜はすごく忙しかったわけよ。
ひとり入店してはひとり出て行き、出て行ったと思ったら次のお客が入ってくる、みたいな感じで、
客足が途絶えないっていうか。もう大忙しw

281 :きしりっしゅ ◆Ux29IdM5BI :2010/08/21(土) 03:17:20 ID:sZhrIUxy0
2/2


俺とそいつがてんてこまいしてる最中、自動ドアが開いて、女の人が入ってきた。
いや、多分女の人だったと思う。見えたの一瞬だったから。
俺は自動ドアの近くにいたから、人影確認していらっしゃいませーって急いで頭を下げて目の前のお客さんをこなしてから、
次のその女の人がレジに来るのを待ってたんだ。

でも女の人レジに来ない。
来ないどころか店内にお客さんゼロ。
あれって思って通路見たり外見たりしたけど、女の人どこにもいないのよ。

いつ出て行ったのかなーとかキョロキョロしながら考えてたら、
「何だ、挨拶してるから見えるようになったのかと思った」
ってニヤニヤしてるつれに言われた。

それ以降は見てない。多分ww


「完」